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2007

Mac OS X Server Tips : ポータブルホームディレクトリ

ポータブルホームディレクトリ

 

 ”ポータブルホームディレクトリ” と聞いてどのようなものか直ぐにイメージできるでしょうか? ITエンジニアやシステムアドミニストレータ関係の人ならともかく、大部分のユーザはホームディレクトリという概念すら持ち合わせていないかもしれません.一般的なコンピュータの利用形態としては、個々のコンピュータ上に設定されたローカルアカウントとホームディレクトリを占有して使うのが普通でしょう.
 

 会社や学校のような場所では、個人のアカウントとホームディレクトリはサーバ上に置かれ、ネットワークにつながれた不特定の共用マシン上でログインして使っているかもしれません.大学の情報処理センターなどはこのような利用形態が一般的ですね.
 

 今回の”ポータブルホームディレクトリ”の話は、このようなサーバ上のアカウントを使っているユーザが、自分のホームディレクトリのデータを別な場所(自宅や外出先など)で使えるようにするという話です.
 

 .Macを使いこなしている方であれば、複数のMac間でブックマークやカレンダーなどの情報を共有する仕組みがあるのはご存じですよね.確かに.Macを使えばある程度ホームディレクトリの情報を共有することが可能ですが、.MacでiTunesの楽曲データやiPhotoのライブラリなどを共有したいと思いませんよね.最近標準のデータ容量が10GBに増強されたからといって、何百MB〜何GBにものぼるこれらのデータを.Mac経由で共有するのは非現実的です.
 

 では”ポータブルホームディレクトリ” は .Mac の共有と何が違うのでしょうか.文字通り ”ポータブルホームディレクトリ” は「持ち運び可能な」ホームディレクトリなのです.つまり ホームディレクトリ全体(または一部分)をそっくりそのまま他のコンピュータやFirewireやUSBなどの外部記憶媒体に持ち出す事ができるだけではなく、サーバ上のアカウント情報までも含めて外部に持ち出せるのです.
 

 例えば、職場ではサーバ上のアカウントでログインして仕事をしている人が、自分のノートPCに会社のサーバ上のホームディレクトリとアカウント情報を持ち出して、出張先や自宅で職場の仕事の続きを行い、会社に戻ってからサーバに変更された情報を反映させる(同期させる)ことが可能になります.昨今の情報漏洩対策からそのようなことは難しくなりましたが、きちんとデータを管理できるのであればとても便利な機能です.
 

 また、大学生などの場合は学校で出された課題を家に持ち帰って続きをやるなどということも可能ですね.何れにしても複数のコンピュータ間でデータを何度も移し替えて作業をすると、最後には何が何だか分からなくなっちゃいます.ファイル名をいい加減に付けているとどれが最新のファイルだったか分からなくなったり、間違って古いデータで新しいデータを上書きしてしまったり...皆さんも経験あるでしょ.
 

ユーザアカウントの種類

 
 ポータブルホームディレクトリの説明をする前に、ユーザのアカウントの種類としてどのようなものがあるのか整理しておきましょう.
 
 ・ローカルアカウント
  個々のコンピュータ上に設定されるアカウントで、そのコンピュータ上でのみ有効なアカウント.
 
 ・ネットワークアカウント
  オープンディレクトリサーバやActive Directoryサーバなどのサーバ上に設定されるアカウントで、
  ネットワークにつながったクライアントコンピュータに対してログイン可能なアカウント.
  会社や学校などでは、個人のアカウント情報とホームディレクトリを供給するサーバを用意するのが
  一般的な使い方である.
 
 ・モバイルアカウント
  ネットワークアカウントとローカルアカウントの両方の機能を兼ね備えた方式で、サーバ側に置かれ
  ているアカウントの分身(コピー)をクライアント側のコンピュータにも置く方式.クライアント側
  のコンピュータとしてノートPCを用いることで、ネットワークアカウントの環境をそのまま外部に持
  ち出して使うことが可能である.
 
  ネットワークにつながった状態でログイン・ログオフをするとサーバ側とクライアント側で自動的に
  データの同期処理(両者の間で常にデータの更新処理が行われる)が実行される.

  この方式の最大の利点は、基本的な作業は手元のローカルマシン上で行われるので、ネットワークなど
  のリソースを浪費しないことが挙げられる.また、サーバ側とクライアント側に常にデータのコピーが
  存在するので、データのバックアップという点でも安心である.
 
 ・外部(External)アカウント
  モバイルアカウントと似ているが、モバイルアカウントがコンピュータ上に置かれるのに対して、
  Externalアカウントは USBやFirewireなどの外部ディスクドライブ上にアカウント情報と個人のホーム
  ディレクトリデータのコピーが置かれる点が異なる.
  Externalアカウントを設定した外部ディスクドライブを他のMac に接続するだけで、そのMac上で、
  サーバ上のアカウントとホームディレクトリのデータでログインする事が可能になる.但し、この
  機能を利用するには Mac OS X 10.5 (Leopard)が必要になる.
 

 尚、モバイルアカウント、ExternalアカウントともFileVaultによるデータの暗号化が可能です.
 
 スタンドアローンでMacを使っている普通のユーザにとってはポータブルホームディレクトリはあまり縁がない機能ですが、学校や職場などではとても魅力的な機能ですね.大学などでは学生にノートPCを持たせて、ポータブルホームディレクトリを使えるように設定してあげれば、特別なコンピュータ教室を用意しなくても良くなりますね.オフラインでも使えるので、無線LANのようなスピードの遅いネットワーク環境でも問題なく使えますね.

 学校などでITマネージメントに関わる方々は是非ともこの”ポータブルホームディレクトリ”の機能に注目して見て下さい.
 

 
 言葉だけで説明してもなかなかピンとこないでしょうから、次回の記事では実際にポータブルアカウントとExternalアカウントを設定してログインする場面を紹介します.
 


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