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2017

DIYINHK ES9038PRO DAC Board

DIYINHK ES9038PRO基板


ESS社のES9038PRO用のDACボードキットが DIYINHK より発売されているので、どのような実装になっているのか確かめるために入手してみた.例によって例のごとく DIYINHK の基板なので詳しい説明は一切無い.自分で基板のパターンとシルク印刷された記号を確認しながらの作業になるので、初心者は手を出さない方が無難だ.


今回は電源とグラウンドが真ん中の層に挟み込まれた4層の基板になっているので、パターンをカットしたりしながらのカスタマイズ作業は少しやり難いが、信号線は表(裏)側に描かれているので何とかなりそうだ.


例によってESS社のDACチップはESS社とNDAを取り交わさないとデータシートの入手ができないので厄介だ.今回はDACチップが実装されていない基板セットなので、頑張って自分でES9038PRO DACチップを入手しなければならない.日本の販売代理店に問い合わせてみたが、最低購入数量の問題が有り、諭吉さんが10人も必要になってしまうのでどうしたものかと考えあぐねている.DIYINHKでは ES9038PRO DACチップが実装済みの基板も提供されているので、普通の人は実装済みの基板(199.95USD) を入手した方が無難だ.


今回のES9038PRO DACボードはDACチップからの差動出力を受けるためのOPアンプ(Ti OPA1688)が左右両チャネルに予め実装されており、Balanced出力用の端子も実装されている.Unbalanced出力用のOPアンプは実装されていないので、自分で好みのOPアンプを実装することが可能だ.DAC出力の配線パターンを自分でカットしてI/V変換部分を切り離せば、外部のI/V変換回路と繋ぐことも可能だ.但し、4層基板なので表面の配線パターンのカットは余程慎重に行わないと、2層目、3層目まで傷つけてしまう可能性が高い.


ESS社のデータシートをまだ見ていないので詳しい事は分からないが、このDIYINHKのES9038PRO DAC基板のI/V変換、Unbalanced変換回路は、データシートのリファレンス回路通りなのかもしれない.これまでのDIYINHKの標準的な実装方法(単純な2回路入りOPアンプによるLPF回路)とは異なっているので、どのような音が作りになっているのか気になる所だ.I/V回路以降の実装をユーザ独自の物に入れ替えることも可能なので、色々と弄り甲斐がありそうだ.


【追記】ES9038PRO DACチップのデータシートを入手したが、このデータシートにはまともなレファレンスデザイン回路は載っていないので、I/V回路やLow-passフィルター設計などはメーカー推奨の物が有るのかどうかは不明.ESS社のデータシートはパラメータの羅列のような物で、詳しい説明がないのでユーザが自分で試行錯誤しなければならないようだ.



グランドパターンが4層基板の内側に入っているので、アナログ系とデジタル系のグランドをどのように取り扱っているのか詳しい事は判らないが、アナログもデジタルもグランドはDC的に繋がっているので、DIYINHKの他の基板と同様にスリットを入れただけのグランドパターン配置のようだ.


DIYINHKのホームページの説明だけでは実際どのようになっているのか分かり難い部分が多々あるが、実物の基板の実装状況がこの記事からうかがい知れると思うので、DIYINHKのES9038PRO基板の購入を検討している人は参考にして欲しい.


ESS社のホームページでの説明では、ES9038PROの物理スペックがこれまでの物より格段に性能が向上している事をうたっているが実際の音のクオリティーはどうなのだろう.何となく8本のDAC電流出力を束ねて力尽くで物理スペックを良く見せ掛けているような気もしないではないが、実際に音を聞いてみないことには何とも言えない.


ES9038PRO DACチップを購入する予定だが、試作には2〜3個で十分なので余ったDACチップの取り扱いに困りそうだな.誰か実費で引き取ってくれると良いのだが… ヤフオクにでも出そうかな?


この基板ではDACチップ用の電源として AVCCL, AVCCR (左右のアナログ回路用3.3V 2系統)、DVCC(デジタル回路用 3.3V)、DAC内部クロック供給用(NZ2520SD 3.3V 80Mhz)3.3V 電源、それにI/V変換、アンバランス変換用のOPアンプ用電源 (+- 12V)の5系統の電源が必要だ.


この4層基板に後からDACチップを実装するのは厄介そうだ.AK4497基板のような表裏2面だけであればサーマルパッド部分に穴を開けて力尽くで裏面から半田付け可能だが、この4層基板部分のサーマルパッド部分のビアホールの構造が判らないので、穴を開けることは事実上できそうもない.勿論裏面からヒートガンをあててもDACチップのサーマルパッドまで熱を伝えることは難しいだろう.DACチップ側からあてるとチップの内部が熱で壊れてしまうだろうし、何か良い方法がないだろうか...


DIYINHKのAK4497基板に後付けでDACチップを実装したときの様子を、先の記事『DIYINHK AK4497EQ 基板』に追記しておいたので、DIYINHKのAK4497基板を検討している人は参考にして欲しい.


DIYINHKも初めての4層基板による設計のようで、不慣れなためか配線パターンや部品の配置などどう見てもスマートではない.ハッキリ言って美しくないのである.無理矢理4層基板に組み込んでみたと言った感じだ.もう少しシンメトリック性を持たせたパターンを作れない物だろうか...




ES9038PRO基板表側(コネクタ&スルーホール部品実装面)

ES9038 Board - DAC chip side
ES9038PRO基板裏側(DAC&表面実装チップ)

DACチップ実装パターン
ES9038PRO DACチップ実装パターン

I/V変換用OPアンプ
I/V変換用OPアンプ


【追記】ES9038PRO DACチップを入手


試作用に購入したES9038PRO DACチップが、日本の代理店のグローバル電子さんより到着した.当初納期は6週間と聞いていたがその半分の3週間程で届いた.暇ができたらDIYINHKの基板に実装して音出しをしてみようと思う.



ES9038PRO Package
巨大な板チョコのようなパッケージで届いた

ES9038PRO
ES9038PRO

DIYINHKのES9028PRO用DACボード(ES9018S, ES9038PROにも対応可能なリファレンスボード)


この部分は別記事『DIYINHK ES90x8PROリファレンス基板』に移行【2017 7/2】


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